毎週ラジオ出演中


聞き手  先週北朝鮮の話をされていた中で、北朝鮮との付き合いで利権の絡みがという話が少しありましたが、翌々日でしたか田原総一郎さんのサンデープロジェクトを見ていると石原慎太郎さんと話している中で、誰とは言えないけれどもそれはもう原油でも何でも横流しの間に立って利権をむさぼっている政治家が日本にもいるんだからという話を彼がしていて驚きました。やはりちゃんと分かっている方々の中ではそういったふうなことを知っていて当然ということなんですか。

笹木  そうですね。今週は鈴木宗男の初公判と、地元では今庄町長の問題が出ていました。鈴木宗男さんですけれども本人は次の選挙も出ると。地元には無罪だという手紙をったり、コンゴ人の秘書がいたでしょう。あの方はキリストは罪をかぶって死刑になった、それと同じだと。なんかよく分からないコメントをしています。

聞き手  今日はそういった利権がらみのことを含めてのお話になりますかね。でも、本当に何でなくならないんだろうと思います。なんかどんどんたちが悪くなっているような気がするんですけれども。ちょっと詳しく教えていただけますか。

笹木  ひとつは、3月に鈴木宗男が党を離党して、6月に逮捕されたわけです。今回初公判ですけれども、普通に放っておくとかなり長く、結審までに時間がかかるといわれているんです。ロッキード事件の場合には19年かかった。当事者の田中角栄さんがもう亡くなった後で最終結論が出ている。そうしますと、この鈴木宗男さんにしても結論が出る前に次の選挙にも出ると、そういう形になってしまいますよね。どうしてこんなに裁判に時間がかかるのかということで、ひとつは、日本は裁判官でも弁護士でも検察官でも人口が非常に少ないんです。よく言われるのは日本は2万人なんです。アメリカが94万人。裁判官と検察官と弁護士の数ですけれども。ドイツが11万人。イギリスでも8万人近くです。逆にいうと裁判官一人当たりの国民の数は日本が6万人、ドイツが3千人、桁が違うんですね。アメリカも8千人。だいたい裁判官の方っていうのは、一人が常時300件事案を持っているという訳です。ですから遅くなってしまうんですね。

聞き手  まあ確かにお国柄もあってアメリカなんかはなんかあるとすぐ訴訟というふうになってしまうといわれています。

笹木  まあ行き過ぎもあるんでしょうけれども。しかし日本は明らかに数が少なくて結審までに時間がかかりすぎる。ようやく今それを変えようという動きがでてきた。さて、過去の疑獄事件というか、こういう利権の事件、今お話しましたロッキード事件、これは代表的なわけですけれども、それと比べてみると面白いと思うんです。あのロッキード事件というのはどういう中で起こったかというと、73年に石油ショックというのがありました。第3時中東戦争があって、イスラエルが武力でアラブ側を占領した、それに対してアラブ側がイスラエルに味方する国に対してはもう石油を出さない、あるいは非常に高い値段にすると、そういう宣言をした。それで、田中角栄さんがキッシンジャーにかけ合って、アメリカと仲良くしているわけだから、中東から入らなくなる分をアメリカから入れてくれといったんです。それにキッシンジャーはできないと答えた。結局こういうときには当てにならないということで、田中角栄さんがインドネシアですとかサウジアラビアと組んで日本自前で石油を入れようということで動いた。そういう資源外交をやっていたわけです。そういうなかであのロッキード事件が起こったし、もっといえばかなりアメリカに仕掛けられて角栄さんが引っかかったといわれているんです。これも結局利権の事件ですけれども、この宗男事件と比べて面白いと思うのは、田中角栄の時代にはまだ国益というのがあったわけです。今言った資源、日本は8割を中東の石油に依存している。そのことをめぐって日本で自前で確立しようと、そんな中でギリギリやって、ぶつかっていたわけで、国益の追求もあった。あの時には日本列島改造論とよくいわれていましたけれども、戦後の復興の中でアメリカ・ヨーロッパ並みの社会基盤を作ろうということで公共事業をどんどんやっていった。これもまだ時代的な意味はあったわけです。しかし今度の宗男さんの場合には、単に斡旋収賄とかそういう問題だけではなくて、北方領土の問題でいうと、もう北方領土4島は日本にとって必要ではないと。交渉も必要ないと。本音の所でね。で、経済交流だけがむしろ必要なんだといって、まあ国益を損なうような、先週の北朝鮮の問題のように、利権のために国民の生命とか領土までも無視するというか、これは完全に目標がなくなって利権が自己目的化しているわけです。もうひとつ言いますと、さっき石原慎太郎さんの話がありましたけれども、鈴木宗男さんが秘書としてついていたのは中川一郎さんという代議士だったんですけれども、この方が謎の死を遂げている。その後その中川グループを石原さんが引き継いだわけですけれども、7億7千万ぐらいグループのお金が残っていると言われていたんです。亡くなった時には。それがまあ石原慎太郎さんの言葉では訳がわからない様な経緯で結局最後その金庫を預かっていた鈴木宗男に聞いたら最終的には赤字になっていたと。一銭も残っていなかった。そういうような事がいっぱいあるわけです。

聞き手  聞けば聞くほど腹の立ってくる話ばかりなんですけれどもね。でも、これまでだってずっと言われ続けていたことで、利権を集めようと思えば集まってくるものだし、お金儲けしようと思えば色々な手段を講じてお金儲けされるんでしょうけれども、それができないようにとこれまでずっと取り組んできたのではないですか。

笹木  そうですよね。私も2期やっていましたけれども、真面目にやっている議員ももちろんたくさんいるんです。しかし、今お話したように問題は、ひとつは目標がなくなっているような状態。そこが一番の問題だと思うんです。昔からのことでさかのぼると、幕末とか維新にかけては和魂洋才っていわれました。日本人の魂と西洋の技術とか工業力を取り入れると。まあその時には誇りうるような国とふるさとにするんだと、そのために貢献をする、そんな人材をつくる教育をやる、これが和魂だったと思う。で、洋才というのは欧米並み技術とか工業力、これをつけると。欧米並みの国家にするという目標。さっき言ったように角栄さんの時には、あの頃までは欧米に追いつけと国家目標はまだあった。かなり和魂、魂という面ではあやしくなってきている。いまの宗男さんのこの事件というのは象徴的で、無魂無才といいますかね、魂も目標も無くしていると。だから何故これがなくならないかというと、結局、戦後の復興の中である時期までは意味があったけれども、今は利権が自己目的化して、必要がないような公共事業でもプロジェクトでも、利権を得やすいということで予算をつけているようなものがいっぱい出てきているということなんですね。これが何故なくならないか。結局、そういうことに関わっている国民がいるわけで、工事にも関わっている。鈴木宗男にも関わっている国民もいるわけで、福井県は鈴木宗男に対する政治献金が北海道についで全国で2番目、東京にも勝っているわけです。去年までは鈴木宗男さんしょっちゅうこの福井にも来て、まあ選挙でもでかい面して仕切っていたわけですね。圧倒的多数の福井県民はそういうところ関わりもっていない。おかしいと思っているわけですよ。でもおかしいと思っていて文句言っているだけでは絶対変わらない。今言ったように鈴木宗男に献金しているような方、そことの色々な工事で関係をもっておられる方、ここだけが選挙を一生懸命やる。他の人は選挙をあんまりやらない。政治にも日常は関わらない。権利の上に眠るものは権利を無くすといいますけれども、文句言っても結局変わらなくて、非常に悪質なものだけが残っていく。変えるためには結局、声を上げるしかないんです。

聞き手  有権者がどれだけの意識をもって、我々が選ぶんだっていうことで、政治離れとかシラケとかそういうことをしていてよくなるわけがないですからね。

笹木  参政権というのは権利なんですから、まあ8割、9割の政治と接点をもっていない方がもう少し政治を使いこなすと、そこに変われるかどうかだと。もうひとつはやはりいろいろな地域でも、この福井でも計画とか事業をやっていく時に、日本全体にとってプラスである、日本全体にとっても良いこと、そういう計画とか事業を他の県とか地域よりも早く出せるか。財源は今国も県も市も非常に少なくなっているわけですから、そういう日本全体にとっても良いと、中期的には世界にとってもプラスの良い計画を出せる、そういう地域は伸びるし、そうでない所は衰えていく。だからそこをやれる地域になれるか、そして政治を使いこなせる国民が、ものを言う国民が増えるかどうか、参加する人が増えるかどうか、ここしかないんですよね。

聞き手  なるほど。このところ市町村合併の動きなんてものも急速になってきています。この話もまた後日とは思うんですけれども、考えてみれば市町村合併にしてみてもひっくり返してみるとそろそろ国もお金がなくなってきて、地方に配分するようなお金というものがだんだんと乏しくなってくるから自分のことは自分でしなくちゃいけませんよと時代が来るわけですね、きっと。そうなってくると確かに自分の家の近くに道路を引いて欲しい、橋を架けて欲しいというような今までの形というのは変わらざるを得ないのかなと思いますよね。

笹木  特に他の地区とか他の県であるからただ同じものをここにも施設をくれとか、同じようなものを工事をやってくれと。これはもう有り得ない。難しくなってくるでしょうね。

聞き手  そうなってくるともうどれだけ早く頭を切り替えるか、今までと同じように地元出身の政治家、あるいは知り合いの政治家に頼んでここにこんな物をつくってもらおうというふうな考え方ではいけないということですね。

笹木  だから、何が時代の中で必要で、自分の生活の実感として必要だと思うか、それを自分だけではなくて、地域だけではなくて、全体にとっても良いものを自信を持って計画を出すように声を上げていくということなんですよね。

聞き手  ということですよね。まあひとつ新聞をペラッと見ていて、また鈴木宗男という人は、俺は無実だなんだっていうことを言っているけれども本当かいなということで読み飛ばしてしまうのではなくて、少し色々なことを考え合わせながら横にある市町村合併の記事もその隣にある今の日本の財政の記事もいろいろなものも含めて絡みあわせるようにして読んでみるとちょっと分かってくるかも、見えてくるかもしれません。

笹木  そうですね。だから宗男事件というのはテレビのブラウン管の中の問題ではないということなんですね。それをささえる国民のおこしている事件だということなんです。
(文責:ささき竜三事務所)