毎週ラジオ出演中

笹木  よく年末になると、国と地方の赤字、借金という話があるんですが、何故これがなかなか改善されないかということをお話したいと思うんです。今週、福井市内のある公民館が夜10時まで閉めないで、なるべく若い人に使ってもらおうと実験的なパーティーをやるという記事がありました。逆に考えますと、文化施設であったり保養施設であったりスポーツ施設であったり、市・県・国が作ったいろいろな施設がありますよね。例えば夜間も使える図書館というのは未だにすごく少ないですし、数十億もかけた施設なんかも実際どれだけ喜ばれているのかというと、つくった後、それを使う側がいろいろ意見を言ったり要望を出したりということは非常に少ないわけです。

聞き手  そうなんですよね。図書館でも5時、6時に終わってしまってその後調べられない。昔図書館でワープロを使っていて叱られたことがあるんです。お隣のご迷惑になりますから。でも図書館で調べたものをメモして帰るということが必要なことでもありますから、当時大学生でも卒業論文はワープロでレジュメを作る時代に、何故図書館でワープロが使用禁止なのかと思います。

笹木  国会図書館さえ今でもそうなんです。置いてある本はすごい量ですけれども、未だにIT化は殆どされていなくて、館内でパソコンを検索以外使える状態になっていないです。

聞き手  そういう使う側の意見を聞いてもらえないということで非常にジレンマも感じるんですが、少しずつ変わって来たのかなということではありますよね。

笹木  そうですね。国と地方の国債残高、要は国全体の借金ですが、660兆円を上回って700兆円に迫るという状況です。例えば自分の子供の為に5億円ぐらい借金して立派なビルをつくって、子供に好きなように使えといっても、子供にしたら5億円も借金抱えてそんなビルは要らないと。要は無駄な物がいっぱいできることが未だに続いているわけです。何故これが止まらないか。つくったものを評価するアンケートをして満足度を調べる、こういうことしていない事。もうひとつは制度全体、例えば市議会でも県議会でも国会でもそうですが、決算委員会というか、決算というものが全く制度的にお粗末なんです。色々な、例えば各種団体とかあるいは市民の団体でも「こういうことが必要だから予算をくれ」ということは熱心に運動する。しかしできた後、実際にこれだけのお金をかけたけれども、それが最初の目的を果たしているかどうか。そういう評価、事後の評価が本当にお粗末なんです。5年前に私が決算委員会の筆頭委員をやってたときにつくった、50人の民間委員(公認会計士・税理士・弁護士等)を委託できる制度。これも結局活用しない。つくりっぱなしなんです。予算委員会はあまり予算の話はしないけれどもテレビとかは1日ずっと中継します。1年経ってみてそれがどういうふうに使われたか。数年経ってみて最初の目標は果たしたか。全く評価がない。だから無駄なことが何年経ってもなくならないという悪循環な訳です。

聞き手  国民の側も税金を納めるときは文句言いますけれども、納めたらそれがどう使われているかという興味をもたないのもよくないことですね。ちゃんとそういうのを検証していかなければいけないんだろうと思います。

笹木  もうひとつ貯金の問題もあるんです。今いった660兆、これは借金なんです。家計でも例えばローンを組む時もあるけれども実際には貯金も持っていますよね。商売している商店でも将来のために何か借金をして店舗を新しくするとか、借金をする。でも貯金もあるわけです。普通はこの貯金と借金、資産と負債と両方で考える。しかし国でも県でも市でも借金の話はするんですが、貯金がいくらあるかという話は全然しないんです。例えば国有林野事業、4年ぐらい前に膨大な赤字をどうするかという大議論があったんですが、その時に色々調べたり質問したりして、「少しぐらいはお金を国有林野事業で作れないのか」と質したら、「じゃあ35年ぐらいかけて今もっている国有林の森林土地とかを売って少しは借金を返します」という話で、5000億円位土地を売ってつくれますといっていた。それが、半年後に2倍の1兆円にすぐ変わっているわけです。じゃあ前の計算はなんだったんだと調べましたら、国有林野事業関係で担当しているセクションが「どれだけ土地があって計算するといくらの額になるか」という計算を23年間1回もしていなかったわけです。23年間一回も計算していなかった。だから最初5000億円と言っていたのが、半年後1兆円と2倍に簡単に変わっちゃうわけです。それがもうずっと続いている。これは国有林野だけではなくて、皆さんもみんな年金の積立金ってやっていますよね、毎月。この年金の積立金がいくらあるかというと膨大すぎてイメージが湧きませんけれども、250兆円あるんです。今まで集めている額がそれだけある。もう一つ郵便貯金と簡保で国民から預かっている貯金が360兆円あるんです。これは今いった国の税金とは違いますが、この郵貯簡保の360兆円でも年金の積立金の250兆円も今までどれぐらい増やしたか、減らしたか報告が全然されていなかった。

聞き手  これ勘違いされるといけないのでもう一度繰り返しておきますけれども、税金というのは直接納入されているから使い道決まってもいいんですが、郵便貯金とか年金は預かっているだけですよね。後々返していかなければいけない。

笹木  後々返していかなければいけないんですけれども、それを本来なら世界中さがして少しでも利息の高い所で運用するわけです。しかし、それが財政投融資といって、これがよくいわれる、今道路のことも議論になっていますけれども、特殊法人にいろいろ流れているわけです。そこにすごく無駄があって、年金でも1兆数千億円、増やすどころか無駄な事に使って失敗して減らしているんです。報告もない。で、気が付いてみて10年経ってみれば増やすどころか減っているという。だからもう、どんどんどんどん年金とかの掛け金について疑問を持つ人が増えてくるわけです。

聞き手  我々が60越えたときには年金あたるんだろうかと思ってらっしゃる若い方が多い中で、実際もう預けているものすら減ってきている。考えてみると、もう考えるのも嫌になってしまいますね。

笹木  使う無駄も多いんですけれども、元はといえば税金で預かったものをどう増やすかという、運用とか管理の発想が全然なかった。そのもっといい例が、さっき借金は660兆といいましたけれども、じゃあ国全体の財産は、まあ東京の一等地に土地もいっぱい、いろいろな役所が持っていますよね。アメリカの国債も日本が一番持っているわけです。外国債全部あわせて100兆円以上あるわけですけれども、日本が持っている外国債、貸しているお金のほとんどはアメリカが一番多いわけですけれども、そういうことも全然報告されていなかったわけです。国の財産、これがどれだけあるかというと、国連から日本もちゃんと報告しろといわれてやったのが、全部で900兆。

聞き手  すごい額なんですね。600兆、あるいは何百兆と借金があるけれども、お金は持っているんですね。

笹木  そうです。アメリカなんかは国の財産160兆円しかないわけです。借金は日本と同じくらい660兆円くらい。フランスは国の財産19兆円くらいしかない。日本は900兆。これも戦後50年間1回も報告されなくて、3年前にようやくはじめて報告した。

聞き手  だったらいつも日本はアメリカに強いことばかり言われてハイハイいっていますけれども、金返せといったらアメリカのほうが逆にシュンとしてしまいますよね。

笹木  本当はもっと使えるんですよね、外交のカードとして。

聞き手  今日はお金の話しではありますけれども、外行の話にも通じるところで、アメリカ側にギャフンといわせるようなカードはあるのに、それを切らずにいつもなんか言いなりになっている印象があるというのは悔しい気もしますね。

笹木  そうですね。予算を無駄に使っているというのもありますけれども、片一方では預かっている税金とかをもとにしての国の財産、さらに年金とか郵貯等、預かっているお金をいかに有効に増やすか管理するか、この発想がなかったし、50年間報告すらも国民に1回もしてこなかった。ほとんど社会主義国のようなことをやってきたというわけです。

聞き手  日本が社会主義国のお手本だといわれる所以ですかね。それはもちろん政治家がというふうな事にしてしまえば我々もなんか無責任になってしまうものですから、自分達で声を上げなくては駄目ですね。

笹木  そうですね。それととにかく政治とか議会も経営感覚をもって、使った先をチェックすることも大事だし、預かっているお金を報告してちゃんと管理し増やす努力、これも国民との間で、メディアとの間でもっとこれチェックされないと駄目だし、決算でちゃんとそれを問いただしていかないといけない。これが全然されていない。使う場でも貯金の面でもすごい無駄をしているということですね。
(文責:ささき竜三事務所)