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予定通り、2・3週間で戦争終結!

聞き手  イラク戦争もガラッと様相が変わってきて、もうバクダッドは全てアメリカの手に落ちた。もうイラク全土が、という状況にもなりつつあるようですね。

笹木  市民による略奪がかなり始まっているとか、街によっては1000人以上の市民が略奪を行っているとか色々なことがいわれています。この直後で心配されるのが、イラクというのは秘密警察でかなり押さえていたわけですから、秘密警察に対する報復があるんじゃないかとか。しかしそれにしても、最初の予定で2、3週間以内に終わらせるといっていたんですが、本当にその通りになってしまったわけです。

聞き手  戦争がはじまる前は、大量破壊兵器が必ずあるはずだから、それを絶対に見つけ出してやる。あるいはフセインを追放するか殺してしまうんだ。それまで戦争は終結しないんだといっていましたが、その論調がだんだんと変わっていきました。それを考えるとフセインをとか、あるいは大量破壊兵器をというのはただの名目、建前に過ぎなかったのかなという気もしてきますね。


アメリカのいけいけ、どんどんは続くのか

笹木  最初にいっていたのはテロ対策と大量破壊兵器対策ということでしたから、今から証拠を見つけると必死になっていくんだろうし、フセインも追っていく。フセイン政権の転覆、体制を終わらせるということだけが今のところは達成しているということですよね。しかし、何度かお話しているように、戦争の目的も決してテロ対策と大量破壊兵器対策だけではなかった。中東での石油をかなり意識していたという話を何度かしましたけれど、それが今も続いていて、この後の治安維持ですとか復興ですとか、その方針をめぐってアメリカの政府内でも対立があるわけです。よくいわれるように国務省辺りの方はなるべく国際協調でと。勝ったから行け行けどんどんでやるのはアメリカの信頼を無くすという、そういう意見です。国防のラムズフェルドさんですとか、チェイニー副大統領とかそういう方、ネオコンに近い方、こういう方々は一国主義で復興もやると、かなりこだわっている。何故、一国主義で行け行けどんどん、復興もずっとアメリカ独自でやりたいのかというと、やはりここで石油の問題が出てきていて、暫定政権の代表者もこの石油に関してアメリカの政策に都合よく動いてくれる方を据えようとしているわけです。さらにイラクでこれから油田を全部民営化してOPEC、アラブでの石油輸出国機構、ここから実質脱退させると。そうすれば、今まで石油価格は、サウジアラビアが産出量1位ですから、ここ主導で決まっていた。それをイラクを抜けさせて、アメリカの影響力の元で価格についても強い力を持つようにすれば、アラブのOPEC自体の石油価格権、これも弱めることが出来るだろうと。結局石油についてアメリカが非常に得をする。まあこういう思惑があるわけです。プラスもう1つは、この暫定政権代表者を選ぶにあたって、イスラエルに甘い方、イスラエルと協調してやっていこうとする方、これを代表に据えようという、これがネオコンといわれる方々の戦略なわけです。これに対して国務省とかの方々は、そこまで行け行けどんどんでやるとアメリカの信頼なくすんじゃないかと心配をしている。これアメリカ国内だけではなくて、アメリカとイギリスの関係でも、ブレアさんは復興は最低でも国際協調でやろうと。ヨーロッパで反対したフランス・ドイツ、そしてロシアなんかももちろんそういうことをいっているわけです。しかし複雑なのは、フランスとかロシアはフセイン政権の下でかなり石油の利権を持っていて、石油の採掘権とか、あるいは石油のインフラ整備とか権益を持っていたわけです。中国も鉄道を引くとかフセイン政権下のイラクのインフラ整備、これに非常につながりを持っていた。賛成していた側も反対していた側も中東での色々な利権の取り合いというのは水面下で当然あるわけです。しかしそれにしてもアメリカ一国だけでどんどん復興も占領も、もしかしたら軍事裁判もというのはやっぱりアメリカの信頼をなくしていくと思います。

聞き手  何のために国際社会の協調があるのか、国連があるのかというふうなことになってきますよね。


無力といわれようが・・・。

笹木  そうですね。実際こういう戦争について国連がいいよといって戦争をやったのは今まで戦後3回しかないわけですから、こういう危機的な状況、大国が何かを起こそうとする時に無力なのは事実です。しかしその中で今回日本はアメリカに支持しますと言うことしかやっていないわけですけれども、この戦後の復興とかについてどれだけ国連中心主義、アメリカの独走を押さえられるか。無力だろうとよくいわれるんですけれども、一緒に戦ったイギリスのブレアでさえも、非常に近い方が、もう圧倒的なアメリカの軍事力によってこれはやっているんで、ブレアも無力なんだといっているわけです。ですからそれを言い出すとアメリカ一国以外みんな無力なんで、しかしこの一国の暴走をどう防ごうかという話ですから、やっぱり日本としては国連とか国際協調で最低限でも復興以降の活動はやっていくと。そういう運動をやっていくしかないですよね。

聞き手  戦後復興の為にまた大きなお金がかかって、それがアメリカや日本の経済を圧迫するのではないか、そういう見方があるみたいですよね。

笹木  だからアメリカはなるべくそれにかかるお金を減らすために日本も含めて他の国に人道とか食料とか医療とか、そういうものについてはお金だけでも分担させようということなんでしょうね。しかし日本も今非常に不景気ですから、あの湾岸戦争の時の、今のところは1/100、大体100億円ぐらいですか。そのぐらいしか約束できていないわけです。日本としては余り間口を広げてやるべきではないんでしょう。

聞き手  そうですね。湾岸戦争のころというのは、あれはバブルがはじけるかはじけたかという時期でもありましたから、そういう意味では今と全く状況違いますよね。ちょっと経済的にも心配ということもあります。


テロの温床はなくならない

笹木  さっき冒頭で鳴尾さんがいわれましたけれども、じゃあテロ対策は、あるいは大量破壊兵器対策はどうなったか。まだ全然解決着いていない。このイラク戦争が終わったことでテロの可能性は無くなったか、その恐れはなくなったかといえば、おそらく短期的にはまだこの後増えるかもしれない。ですからアメリカもそしてIMF,国際通貨基金もテロを支援しているような国とか団体にお金が流れないように、今動き始めています。イスラム教の中の過激な教団はもちろんですけれども、日本の近く、東南アジアでいえばインドネシア・マレーシア・フィリピン、ここらにも集団が、国全体とは関係ないですけれどもいるわけです。

聞き手  意外と知られていないですが、インドネシアなんかは国民の大半がイスラム教です。その方々がテロ組織だと、決してそういう意味ではないですが、ただイスラム教のテロ組織という事を考えるならば、イスラム教国というのがアジアにもあるというようなことは知っておいた方がいいでしょうね。


有事への国と自治体の構え

笹木  そうですね。ですからそういう所のグループ、あるいは中東、シリア、イラン、あるいはリビア、スーダン、そういった遠い国も含めまして、色々なグループが今度の戦争でさらに動き出す可能性も十分あるわけで、そういう時に例えばこの福井県なんかも、北朝鮮ももちろんもう1つ別にあるわけですが、備えがちゃんとできているかどうかということです。来週ぐらいからいわゆる有事法制ということが国会でも議論なるけれども。まあ色々難しい細かい議論はたくさんあるんですが、簡単にいってしまうともし何かテロが起きたとか、もっというと日本海側の海岸線で、1990年には美浜町の海岸に北朝鮮工作船が漂着したり、あるいは日本海の新潟、近いところですけれども、北朝鮮の武装工作船が近づいてきたりしているわけです。船舶、船に核兵器を積んで港に突入する。そういうテロも色々なシナリオの中にある。そういう時に自衛隊が対応する。対応しないといけなくなった時の法律は今全く無くって、赤信号の時に自衛隊の戦車が通る、これが法的にクリアできていない。救急車はいけるんですけれども。あるいは私有地をどうしても急ぐから、私有地を通って戦車が行かないといけない。これも不可能なんです。公園で陣営を整えるということも不可能。必要最低限の法的根拠が無いわけで、無いとどうなるかというと、もし何かあった時に、全く法律ふっ飛ばしてやるという、逆にこれは人権とか私的な財産を必要以上に侵害する可能性があるんです。

聞き手  なるほど。今回、イラク戦争で少し国外のことに目を向けられる方も増えてきたと思います。ちょっと時間がなくなってきたんですが、イラクの戦後処理も注目しなくてはいけない。この有事法制のことも注目しなくてはいけないんですが、もう1つ北朝鮮の情勢が少し気になります。これから先、北朝鮮の情勢もそうだし、福井県にしてみれば拉致被害者の方がおいでになるわけですが、1分程度まだ時間がありますから、この拉致被害者の方々についてのことも少しふれておいていただきたいのですが。

笹木  そうですね。例えば、今拉致被害者についてもまだしっかりと全体を把握できているわけではないです。救う会の方々が色々その可能性のある失踪者、行方不明者、こういう方をどんどんリストアップしています。しかしこれはやっぱり例えば福井県の地方自治体の警察とか公安とか、国はもちろんですけれども、そこらも協力しないと資料が集まりにくいわけです。そういうことは最低しないといけない。もっといえば、何か危機的なテロとかあった場合には、自衛隊は戦いに目一杯時間を使うことになるわけです。日常においては災害対策とか避難とか救援とかを自衛隊がいつもやっていますが、危機的な状況では出来なくなるわけです。ですから自治体が救援とか避難とかにかなり関わっていかないといけないわけです。そういう体制も全く今できていないわけですね。国も自治体も無縁ではなくなっているということですよね。

(文責:ささき竜三事務所)