毎週ラジオ出演中


名前の連呼は、やはりうるさいだけ。

聞き手  福井の町がといいますか、私どもこの中心市街地で仕事をしているからかもしれませんが、この辺り、ちょっと騒がしかったのが静かになりました。

笹木  今日はその統一地方選挙の後半ということで、特に福井市の場合は市議会議員選挙があったわけですが、その期間を通して聞いた意見や不満、そういう話をしたい。今回、市議会議員選挙に43人出て、それで36人うかると。で、名前だけの連呼、やっぱり今でもかなり多いですね。知っている者同士、非常に親しい人がたくさんいる町内や候補者の地元とか、名前の連呼をして出てきてもらってお互いに手を振って確認するという意味はあるのかもしれないけれど、浮動票が増えているわけですよね。出口調査でもどんどん増えている。

聞き手  要するに誰に決めてもいない方々ですよね。


不在者投票は、便利になったが・・・。

笹木  候補者の中で知っている人があまりいない。そういう浮動層が増えている。だからそういう人にとって、やっぱりうるさいだけ。しかも43人で次から次へと名前だけ言っていると、全然判断の材料にもなっていないということで、やっぱり名前だけではなくて、政策の情報、判断基準、それを伝えるべきだと。新人議員のなかには街頭演説を意識してたくさんやっているとか、そういう人も増えてはきていますが、圧倒的に連呼がまだまだ多い。これはかなり文句が多かったですね。それと、実際にこのラジオでお話もしましたけれども不在者投票。これがすごく増えているんです。これはまあいいことで、すごく楽にできるようになった。福井市の中で6ヶ所。その6ヶ所の中でだったら、どこの場所でもやれるということで増えていて、知事選・県議選の時ですと4年前より1万人以上増えて3万5000人ぐらいの方が不在者投票をしています。市議会議員選挙でも、これも3300人くらい増えて8700人ぐらい不在者投票しています。これは有効投票、全体の投票数の7%ぐらいになっているわけです。ただ、若干大丈夫かなと思ったことがあります。僕も久しぶりにやってみたんです。例えばスカットランド九頭竜に行きます。そうすると名前を聞かれる。で、住所はと聞かれる。で、生年月日はと。要は自分の名前と生年月日と住所と、これさえ言えれば誰でもできるということなんですね。

聞き手  免許証見せてくださいとか、保険証はとか。

笹木  何も無い。そうしますと例えば友達で生年月日と住所を知っている人が行ってもやることは出来ますよね、本人と偽って。ちょっと危ないんじゃないかという気がしました。まあそれを言い出すと投票日当日だって、自宅に送られてくる通知書を持って決められた場所でやる。その通知書さえ持っていたら他人がやれるんじゃないかとか、実際に昔、学生が通知書を渡して他の人が投票したという事件があったりとか、そういう問題はありますが。不在者投票は非常に便利にはなっているけれども、やっぱり本人確認の手段くらいないとまずいんじゃないかという気がしました。それともう一つ、これも実際に応援している人とか関わっている方々の声であったのは、市会議員選挙の結果、最終的にはもう夜中の1時半近くになった。投票が終わったのが夜の八時。結果が出る1時半までずっと待っている。やっぱりこれ電子投票だと1時間ぐらいで終わるんだろうと。待っている者もかなわないし、事務所で控えている者もかなわないということで、こういう意見も多くありました。だからまあなるべく早く電子投票にして、今いった不在者投票なんかの確認も含めて、これ最近はインターネットで指紋認証とか目の虹彩認証、そういう技術がどんどん進んでいるといいます。それでやればどこででも出来る。早く結果が出る。もちろん間違いも無い。無効票も少なくなる。これを早く急ぐということなんでしょうね。

聞き手  なるほど。聞くところによるとその電子投票は便利だと。他の国でやっているところもあるんだと。その他の国でやっている電子投票のシステムは日本製だったりもするということですからね。


旗の乱立をなくすには。

笹木  旧ソビエトに対する機械というのは全部日本のメーカーから出ているといいます。ですからもう技術的には全然問題ない。費用も人件費とかを減らせることを考えたら、そう大した額ではないんですね。だからまず市町村からやって、県全体でもやっていくようにする。こういう方向なんでしょうね。もう1つすごくこれも不評で文句が多かったのはあの、シンボルカラーの旗ですよね。こういうものは法律的にどうかというと、法律的に禁止する規定は何も無いんですよ。そうしますと禁止されていないんだからやると。これ候補者になるとどうしてもそういう心理になるんですけれどもね。本選中にやれることはビラの数も限られていたり、貼れるものもなかなか無かったり、ポスターも決められた所にしか貼れない。そうするとアピールするためにということでああいう、まあシンボルカラーの旗をやるということなんですが。

聞き手  戦国時代の名残ですかね、あれは。

笹木  名残といえば、少し前まではこういうのがあったんですよ。辻番といいまして、ある候補者の地元の領域がありますよね。その境界線上では柄の悪い人が数人立っていて一歩も入らせない、ということがちょっと前までありました。まあ特に田舎の方に行きますとね。

聞き手  ここはだれだれさんの縄張りみたいな感じですね。

笹木  他の候補者とかその運動員は入ってくるなと。だから完全に縄張りを守るという、その名残なのかもしれませんね。確かに地元や非常に親しい方がたくさんいる地域で、必死になっている候補者はやろうとするのかもしれませんけれども、浮動層にとってはそういう運動はやっぱり関係ないんですね。しかもその増えている浮動層の方には誰が何色かというのも余り知りませんから。43人出ていますと、同じ色を複数の候補者が使っていたりするわけですしね。こういうのを止めようと思うとやっぱり1つは条例で。決して全国的にされているわけではないのですから。

聞き手  福井だけなんですか。ああいうことをやっているのは。

笹木  おそらく福井だけです。選管に聞いても、ああいう組織的に各陣営みんながやっているというのは福井だけ。福井でも確か数年前からです。こんなに組織的にやるようになったのは。だから条例で禁止するか、候補者も浮動層がどんどん増えているのでもう少しメッセージがある、何かこう政策に関係するようなアピール方法を知恵を出して考えることかもしれませんね。


結局、争点は何だったか。

聞き手  確かにいわれてみると、名前ばっかり連呼していたのは聞いたんですが、いったいどういうふうなことを公約として掲げているのかというのを聞いた覚えがなかったりします。争点が殆ど無かったような印象もあるんですね。我々こうやって中心市街地で仕事をしているからかもしれませんが、中心市街地の活性化策に関しては何人かいらっしゃいました。それ以外のことって一体どういうことを言っていたかな。例えば市町村合併や道州制、自分達の税金の使い道、あるいは国からどういうふうな公共事業の数が増えるのか減るのかとかいろいろ気になるところがあるはずなのに、そういうのがあんまり聞こえてこないんですよね。

笹木  そうですね。今回よかった点は17人もの新人が出て、その内13人が受かっている。新人が非常にたくさん出たし、それとその新人のなかにはかなり意識して、街頭演説をしていた方もいます。これはいい点なんですけれども。しかし、今おっしゃるように、例えばその市町村合併。福井市の場合ですと40万都市に近づけて、それで規模のメリットを、良さをどんどん活かして活性化しようと。こういうことがあまり争点になっていなかったし、中心市街地はちょっとありましたが。もう1つ、この4年間で市の管理職2人が自殺されるという、非常に恥ずかしい事件が起こっているわけですから、じゃあ政治浄化をどうするのか。これもあまり争点になっていなかったですね。深刻な問題の割には。それぞれ街頭演説したりしてやってはいるんですけれども、もう少しそれをお互いの候補者がどう違うんだというのが伝わりやすいような方法。まあインターネットなんか使うとか、広報なんかももう少し魅力のある、読みやすい物に変えていくとか、色々な工夫が必要かもしれませんね。しかし例外的に、ある新人議員で面白かったのは、自分の事務所の入り口に全候補者のパンフレットを置いているわけです。ここまでするかと思いましたけれども。その候補者は判断材料を示すんだといっていましたが。こういう運動も出てきてはいます。

聞き手  後で振り返って違反行為がどうのこうのというのも出ますよね。


負けた者しか選挙違反で逮捕されない?

笹木  今まだ後半のことについては出ていませんが、前半の地方選の後で選挙違反で逮捕者が出た。しかしこれ負けた陣営なんですね。で、何人かの方から言われたんですが、なんであれはいつも負けた者しか選挙違反で挙げられないんだと。勝った者が挙げられるって聞いたことが無いぞということをその方々が言われるんです。

聞き手  本当に無いんですか、勝った人は。

笹木  いや、ゼロじゃないです。最近全国的には増えていますし、福井でも選挙の直後ではないですけれども、日常的にはあります。検挙は増えているんですが、そういう印象がまだ残っているし、そういう傾向が残ってないとは言えないですね。選挙中とかに例えば飲食、飲ませ食わせを陣営としてやっているとか。それはもう完全に違反ですから、そういうのをある飲食店で、レストランで見たと。すぐ警察に、自分の名前言わなくていいですから、この場所でこういうことをやっていたと。あるいはこういう場所でお金まで渡されたりしているらしいと。かなり間違いないというような情報を持っていたら、その人が電話で警察に伝えてくれるといいんですよ。

聞き手  選挙違反は警察でいいんですか。


社会とは、あなた自身

笹木  そうです。そうすると係の方が実際に調べに行きますから。現場を押さえないと挙げられないわけですね。だからそういう情報が多くなればなるほど選挙違反は少なくなるんです、間違いなく。現場を押さえないと捕まえられないからぜひ情報をくれと警察の方はいうわけですから、そうすればいいわけですね。後まあもう1つ、これは根本的な問題ですけれども、政治には期待しないと。どうせ変わらないと。で、非常に文句はいっぱいあって不満も多いと。こういう声はよく聞きます。もうこれは歴史的な人物ですけれども、非常にリーダーシップのあった有名な外国の政治家ですけれども、「社会が悪いとか政治が悪いと言うけれども、社会というのはあなた自身だ。政治というのはあなたと無縁なところに、別にあるわけではない。全部あなたがどう動くかだ」という言葉を残しています。ぜひ被選挙権、自分自身が出ることも含めて、権利として認められているんですから。選挙というのは今の政治が悪い、社会が悪い、だとしたらそれを変えられるもう唯一の手段なんですね。よく1票というのは深さを測れない。視聴率もそうかもしれません。よく考えて投票する人も考えない人も1票で深さは測れないといいますけれども、深さは要は自分の思っている運動とか、こう変えたい、こういう街づくりしたい。これを広げるために日常的には地域とか職場で運動することだろうし、選挙に向けてはこの人のいっているこの政策は何とか実現したいからということで応援する。深さは運動で広げることでしか表せないんですよね。ですから是非、最近は選挙に出ても、その後負けても職場復帰できるという面白い会社も出てきていますから、ぜひ政治も社会もあなた自身だと。そうじゃないとお上意識の裏返しで政治が何でもやってあげますよというのを期待していることになってしまいますから。今回17人新人が出ても投票率が過去最低で60%と。これはよく自分の問題として皆さんも考えていただきたいなと思います。

(文責:ささき竜三事務所)