毎週ラジオ出演中


聞き手  今日はどんなお話を。


(介護保険の)掛金払ってるのに、施設に入れない。

笹木  この番組で以前に介護保険のお話をしましたけれども、これから各市町村とか県で、いかにいい介護体制にするか競い合いになるという話もしました。いろいろ県としての叩き台も出てきているので、どう見直していくかというような、今日はその話をしたいと思うんです。私もよく色々な、主婦の方とかから介護についての意見とか質問を聞くんですが、それでまず第1番目に多いのは、介護保険で掛金は払うようになったけど、あんまりサービスの内容とか知らない方がすごく多い。以前にもお話したんですが、待っていても「介護サービスやります」って行政の方から言ってきてくれるわけではないんですね。自分の方から申請しないといけない。そういうことも含めて知らない方がまだまだ多いということです。もう1つすごく多い意見が、介護保険が始まって保険の掛け金を払うようになったんだけれども、実際に、じゃあそのサービス受けようと思って施設に入りたいと。で、いくつかの施設、特別養護老人ホームですとか、に問い合わせてみると、結局待ちがすごく多くて入れていない。掛金払うようになったのに入れないという文句が多い。この2つがかなり色々一般に話していると多いんですね。

聞き手  施設が足りないということですね。

笹木  そうです。前回もお話しましたけれども、介護保険を始めて3年になる。在宅介護、自宅にいて介護のサービスを受けられる、その在宅介護を増やそうというのが介護保険の目標の大きい柱だったんですが、しかしこれがあまり進んでいない。結局施設に人気が集中して、施設の介護者がどんどん増えているという点が問題点のひとつなんです。これは福井県でも象徴的で、県として、行政として介護に対するお金、高齢者一人当たりにしてどれだけお金をかけているかというのを全国で調べますと、施設、特別養護老人ホームでの介護にかけている老人一人当たりのお金は全国で3番目なんです、福井県は。

聞き手  福井の場合、高齢化は進んでいるとはいわれますけれども、それでも人口的に考えれば全国3位というのは驚きですよね。

笹木  すごく高いんですね。その一方で今の在宅介護という話との関係でいいますと、じゃあ在宅介護に対する介護の色々なリハビリであったり、食事サービスであったり、色々なサービスしますね。この行政がかけているお金を老人一人当たりで計算しますと、これは全国で32番目なんです。ですから福井県でも施設での介護が非常に進んでいるけれども、在宅介護はあまり進んでいないということが言える。しかももっと深刻なのは、さっきお話した、まだまだ施設介護で介護を受けたいという希望者が殺到しているんですね。

聞き手  福井の場合は共働き率が高いのでという理由もあるかもしれませんね。


県内の施設入所待ち2,600人。

笹木  そういうこともあるでしょうね。それと元々、そういう施設サービス中心で、比較的充実していたんですね。そこからなかなかそれを切り替えるという方も少ないというのもあるんでしょうね。今どのくらい福井県で希望者が殺到していているかというと、まだ施設に入れていない方は2600名いるんですね。待機者、入りたいと希望を出しているんだけど入れていない方。県の叩き台として今出ているひとつ目の事が、5年で待機者をなしにしよう、ゼロにしようということです。2600名。今施設に入りたいのには入れない。で、介護を受けない。これをゼロにしようということですね。これはいいことのように聞こえるんですが、しかし施設介護を増やせば増やすほどお金がすごくかかるんです。在宅介護に比べて施設介護はどうしても施設を建てて、その為にいろいろ設備も造ってということでコスト、お金がかかる。簡単にいうと一人当たり1000万かかるわけです。建設コストですとか維持コスト、もろもろで。そうしますと今2600名待ちがいて、これをゼロにしようということですと、単純計算すると260億円かかってしまう。もちろんこれは国と県と市町村、3つでそれぞれ割って負担するんですけれども。それにしてもでかい額です。だからただ、施設に対する希望が多い、人気が多いということでそれの施設をどんどん増やしていこうということをやっていくことは、これは行政的な経費で将来的には許されるのかと。ちょっと無理じゃないかという問題があるわけです。今福井県は5年間でとりあえずゼロにするといっていますけれども、まだまだ希望者が増える可能性もあります。高齢者も増えていくわけですから。

聞き手  そういうことですね。だから今の数字だけを捉えて、この数字を何年で減らそうことだけではこれから先増えていく数というのを計算に入れていないということですよね。

笹木  そうです。まだまだ高齢者は増えるわけですから。希望者がもっと増えて待機者が増える。それをまたゼロにしていけるのかという話です。これはもっといいますと負担する側、掛金をかけている側にとってもやっぱり負担が多くなるわけです。その証拠に、県内で例えばこの介護の掛金の高い地域が越廼村、越前町です。これは一人当たりの介護保険の掛金が4300円。一番低いところが名田庄村、ちょっと遠いですけれども。ここは2500円。かなり開きがあるんです。この開きは何かというと今の話のそのままで、越前町、越廼村は施設介護が非常に割合的に多い。名田庄村は在宅介護が割合的に多いんです。

聞き手  施設介護、仕方がない場合もありますけれども、在宅での介護を進めていくということですよね。

笹木  そうですよね。そうしないと行政のコストも目茶目茶膨れる。で、一人当たりの掛け金も増えていくということなんですね。

聞き手  じゃあ在宅で介護してもらうにはどうすればいいんだろうかっていうことを考えなくてはいけない。

笹木  今、全国的にも県も工夫しようとしているひとつ目が、施設でも個室型施設にして、その代わりに個人負担を増やそうということです。今、特別養護老人ホームで介護を受け、サービスを受ける場合に月だいたい60000円の負担です。自己負担分が。でもこれは食費も家賃も全部含まれているんですね。これがもし自分で、施設じゃなくて自分の家でとか在宅だとどうかというと、もし賃貸とか家賃払っている場合だと食費も家賃も含めて自己負担な訳ですから、全部これも含めて60000円、介護サービスも含めて施設にいると60000円で済んでいる。これやっぱり安すぎるだろうということなんですね。ですからそれに3〜4万上乗せして、月10万円くらいにして個室型の施設を造っていこうと。負担は増えるんですね、個人の。10万円になると。

聞き手  不均衡がなくなっていくという意味では自宅で介護される方は増えますよね。


痴呆老人。家族の大変さは相変わらず。

笹木  これがひとつ目です。あともうひとつ、痴呆性老人の家族のいろいろ世話ですね。これがすごい負担ですから、これを減らしていこうということも介護保険の大きい柱だったんですけれども、これもあんまり進んでいないんですよ。なぜかといいますと、痴呆性老人というのは体は元気で、しかしボケというか痴呆が、調子が悪い時に色々な問題行動を起こすわけですね。検査に来た時とか身体的な状態だけは元気であれば、まあ認定が非常に低く、要介護度が1から5までありますけれども、1ぐらいでみられている。そうするとしっかりとしたサービスが受けられない、ということで家族の負担があまり減っていないんですね。で、県として、今叩き台としては、さっきのその待機者を5年でゼロにするといっていますけれども、優先度をやっぱり決めようと。今までは何が問題かといいますと、とりあえず今深刻ではないんだけれども、今のうちから申請しておこうと。施設に入りたいと今のうちからいっておこう。こういうことで今はあまり深刻ではない、非常に軽いんだけれども申請している人がかなり多いんです。2600名の待っている方の中でも、本当に深刻な方は700名くらいだといわれている。この緊急度をはかるときに痴呆性老人というのを優先しよう。それとひとり暮らし老人も優先しようという点が今のところ叩き台で大きい点なんですね。

聞き手  わかりました。非常に地味な問題に聞こえますけれども、これはもう大きな問題になっている、あるいはこれから先もっともっと大きな問題になっていくんだろう、身に降りかかってくることもあるんだろうから考えることをやめてはいけない問題ですね。また来週からもこのお話も続けていただきたいと思います。在宅介護の率もこれから増やしていけるような工夫もしていかなくてはいけない。もちろん施設も増やしていかなくてはいけないということですね。

笹木  全国の各市町村、色々な工夫をしていますから、福井県でも色々問題があったり不満があったらどんどんそれを言っていくことです。国民健康保険の連合会とか各市町村の介護の担当課、そこに文句を、不満をどんどんしっかりと言っていかないと変わっていかないので、そのことをぜひ皆さんに知っていただきたいと思います。

(文責:ささき竜三事務所)